印刷用紙 (カラー用紙を除く) |
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印刷用紙 (カラー用紙) |
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平成13年8月に日印産連(社団法人 日本印刷産業連合会=印刷工業会、全日本印刷工業組合連合会など関連10団体が加入)が、循環型経済社会において地球環境保全を進めるため、業界の自主基準として策定したグリーン基準で、水準-2:業界が広く目ざすべき方向としての基準と水準-1:水準-2より、さらに高度な基準で構成されている。その他のグリーン基準としては、財団法人日本環境協会のエコマーク商品認定基準No.120「紙製の印刷物」他や、グリーン購入ネットワーク(GPN)の「オフセット印刷サービス」発注ガイドラインがある。
※グリーン購入ネットワーク GPN=Green Purchasing Network。我が国におけるグリーン購入の取り組みを促進するため、1996年(平成8年)2月に設立された企業、行政、消費者の緩やかなネットワーク。 2002年(平成14年)8月現在、全国の企業2,068社、行政機関363団体、民間団体269団体、合計2,700団体が参加している。
JISに定めるハンター方式、または、拡散照明方式によって定められるパルプおよび紙の白さの程度。酸化マグネシウム標準白板の光の反射量を100としたときのパルプや紙の反射量の割合。新聞・雑誌古紙などの低級古紙の利用促進を目的として白色度がとり上げられるようになった。日印産連のグリーン基準の水準-2は80%程度(±4%)、水準-1は70%(±4%)である。
紙の印刷適性を高めるために用紙表面に塗布する白土などの白色顔料の量で、1平方メートル当りの塗工剤の量であらわされる。
ケナフ、バガス(サトウキビの絞りかす)、バンブー、サイザル麻、コットン、ワラ、葦、こうぞ、みつまた、雁皮などのパルプを使用した紙。
中性サイズ剤(サイズ剤:毛羽立ちやインキのにじみを防ぐため、紙の吸水性を改良する処理に使用する薬品)で抄造された紙。繊維が劣化しにくく、紙の長期保存(3年以上)が可能となる。
酸性紙ではロジンサイズを紙に定着させるため硫酸アルミニウムを使用するが、この硫酸アルミニウムは、紙や大気中の水分と反応し硫酸となり、この硫酸が紙の主成分のセルロースを破壊して紙が劣化するため長期間の使用、保存が明らかな場合には(書籍、辞書など)中性紙の使用を考慮する。(日印産連グリーン基準)
漂白の際、塩素ガス(Cl2)を使用しないため(二酸化塩素(ClO2)を主体として酸素やオゾンなどを組み合わせて漂白する)、ダイオキシン類の発生が極めて少ないパルプ。塩素ガスを使用すると、木材のリグニン成分と塩素が反応してダイオキシンを発生する。
無塩素漂白パルプによれば、吸着性有機ハロゲン化合物(AOX)の発生は従来型の漂白パルプに比べて1/10以下、クロロホルムの発生は1/100以下にすることができ、強いパルプができる。
その他、TCF(Tottally Chlorine Free)-塩素系物質を全く使わずに漂白する方法もある。
適切な森林管理のもとで植林された材木だけをパルプの原料としたもの。
第三者機関(例:FSC=Forest Stewardship Council:森林管理協議会)により適切と認証された森林管理のもとでの林材を使用したもの。FSC(本部=ドイツのボン)の森林認証は、世界的な森林減少・劣化の問題と、グリーンコンシューマリズム(消費者が企業に対して環境に良い企業行動を要求し、消費者自身も環境に優しい消費生活を営もうとする運動)の高まりを背景として生まれた制度で、「森林管理認証」と「COC認証」がある。
「森林管理認証」は「森林管理のためのFSC10原則と基準」に基づき適正に管理された森林を認証する。「COC認証」(Chain-Of-Custody:生産物認証)は、森林管理認証された森林の林産物でできた製品(チップ、用紙、印刷物など)が、製造、加工、流通のすべての過程において認証林にそれ以外の材が混入しないように管理製造されていることを認証するもの。
認証された製品にはFSCロゴマークがつけられる。
食品加工時に廃棄される未使用の表皮や繊維を再活用し紙に抄きあげたもの。(緑茶や紅茶の抽出カス、豆腐のカス(おから)、小麦のカス(ふすま)、落花生の薄皮、あずきカス、醤油の絞りカスなど)
1973年(昭和48年)4月に印刷インキ工業連合会が設けた「食品包装材料用印刷インキに関する自主規制」。食品包装材料に関し、内容食品の衛生的安全のために印刷インキ用原材料に使用してはならない物質を定めている。現在では食品用に限らず、特殊なインキを除き、一般の印刷にも適用されており、国産のインキを使用する場合は自動的にグリーン基準をクリアすることができる。
平成14年12月に、印刷インキ工業連合会は「NL規制準拠マーク」を制定し、連合会会員企業の製品ラベルや商品説明書等に表示することとした。
オフセット印刷インキの主成分の1つである樹脂には、ダイオキシン類などの発生の要因となる塩素系樹脂は一部着色剤やフッ素系添加物を除き使用されていないため、国産のインキを使用する場合は、自動的にグリーン基準をクリアすることができる。
インキ中の鉱物油に含まれる芳香族(アロマ=人体に臭気、皮膚刺激性などで悪影響を及ぼす芳香族成分。トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)成分が1%以下のインキ。現在オフセット標準インキの約9割がアロマフリー溶剤を採用している。グリーン購入法の判断基準。
インキの油分の内、大豆油20〜25%、鉱物油(石油系溶剤)10〜25%のインキ。インキ中のVOC削減を図ることができる。一般的にはアメリカ大豆協会(ASA)のソイシール認定を受けたインキをさす(認定基準は、大豆油含有量が重量比で、枚葉インキ20%以上、ヒートセットオフ輪インキ7%以上、UVインキ7%以上)。現在ではオフ輪インキのほとんど、枚葉インキの2〜3割が大豆油インキ。
PRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律。平成13年施行)では、人の健康や生態系に有害な恐れがある化学物質(第一種354物質、第二種81物質)が指定されている。
PRTR法の対象物質を含むインキを使用せざるを得ない場合にはMSDS(Material Safety Data Sheet、製品安全データシート=化学物質を安全、適正に管理するための必要な情報が記載されている)により、インキが含有する化学物質の成分や含有率、有害性情報などを確認し、適切に取り扱う必要がある。
エコマークのNo.102「印刷インキVersion2.0」では、アロマフリーインキ、NL規制に準拠していること、リサイクル時に脱墨時の環境負荷が従来のインキより増加しないこと等が、基準とされている。
石油系溶剤を含まないインキをいう。(日印産連のグリーン基準水準-1では石油系溶剤の比率が15%以下。但し輪転インキは除く。)東京都の「地球をまもる都庁プラン」では、平成16年度には「すべてのオフセット枚葉印刷の印刷発注で石油系溶剤を含まないインキを使用する」こととしている。
※VOC(Volatile Organic Compounds)…揮発性有機化合物。紫外線にさらされることによりNOx(窒素酸化物)と反応し、光化学オキシダントを発生し、大気汚染の元凶となっている。
紫外線(Ultra Violet rays)を照射することによりインキ中の成分が瞬時に硬化するインキ。インキのセット(乾燥)に溶剤成分(鉱物油)が不要のため、VOCゼロである。
従来の酸化重合乾燥型油性インキの使い易さと紫外線硬化型UVインキの特長(瞬間乾燥)を合わせ持ったインキ。酸化重合成分を持つものと完全UV硬化型の2種類がある。ノンVOCインキ。(ハイブリッド素材=UV/油性融合素材)
アロマフリー溶剤を用いてさらに大豆油を一定量(枚葉インキ20%、ヒートセットオフ輪インキ7%、新聞墨インキ40%、新聞カラーインキ30%など)以上含有しているインキ。エコマーク取得ができ、ASA(アメリカ大豆協会)によるソイシール使用許可がある。
焼却処理の際、ダイオキシン類や、塩化水素ガスの発生要因となる。
通常水に溶けない油分や樹脂などを水に溶かした状態のもの。溶剤タイプに比べVOCの発生が少ない。
製本用に普及しているホットメルト接着剤(常温では固形状だが、加熱することによって流動性が与えられ、冷却により固化する。溶剤を含まないため環境にやさしい)は、古紙として再生される工程においてパルパー(分離機)によって微細化(細裂化)され、異物を除去するスクリーン(フィルター)を通過して抄紙機に持ちこまれてしまうと、持ちこまれた微細な接着剤は抄紙機や輪転印刷機での断紙などのトラブルや紙としての品質低下の原因となる。
難細裂化HM(改良型EVA:エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)系や、ポリウレタン系HM接着剤はパルパーにより細裂化せず、スクリーンでの除去が容易である。