印刷企業と関連業種企業との情報交換の場として、恒例の第85回印刷・関連業懇談会が9月1日(木)に新潟市のホテルオークラ新潟にて開催され、印刷業界から堀理事長をはじめ26名が、また関連業界から49名の方が出席されました。
午後2時から開催された講演会では「メーカーによる納入先の成功事例」と題して、富士フィルムグローバルグラフィックシステムズ梶Aコニカミノルタジャパン梶Aリコージャパン鰍フ3社から実例に基づいた経営改善の取組についてご講演いただきました。
講演会終了後には、印刷・関連業懇談会が野ア副理事長の司会で進められ、堀理事長の挨拶に続いて当組合の各委員長、部会長及び新世会長から今年度の活動状況について説明がありました。
次に紙、印刷機械、インキ、プレプリス、印刷機材の5業種の代表の方から各業界の動向等について説明が行われ、質疑応答の後、午後5時10分に佐藤副理事長のお礼の言葉で終了となりました。
その後懇親会場に席を移し、堀理事長の挨拶に続いて洋紙懇話会会長である鞄c村商店代表取締役社長の田村和仁様の乾杯で開宴、一同和やかに親交を深め、午後6時30分に閉会となりました。
1.開会のあいさつ
新潟県印刷工業組合/理事長 堀 一
飛沫感染防止対策を講じていますので、マスクを外してお話させていただきます。以前は当たり前のことでしたが、今日こうしてお話しできることはありがたいことだと思っています。
毎年1月6日に実施しているジャグラさんと共催の新年名刺交換会の頃には新型コロナウイルスの流行も収束に向かうと思っていましたが、オミクロン株に置き換わったことでまん延防止等重点措置が出され、その後解除はされましたが、どうなるかと注視しているうちに流行の第7波の到来で感染者数が過去最高を更新することになりました。あっという間のことでしたが、それでも我々は確実に新型コロナへの対応が上手になったと思います。本日の懇談会を例にとりますと、懇談会の後に懇親会がありますが、テーブルを越えた交流についても、ルールに則った形ではあるものの、ある程度のコミュニケーションが取れるようになりました。印刷業というコミュニケーションのお手伝いをさせていただいている我々としても、ありがたいことだと思います。
かつて情報手段は電波と印刷が主力でした。ネットのような新しい媒体がいろいろ出てきましたが、人類の最大の発明は文字であり、文字を扱っている我々の強みを生かすべきだと思っています。かつてのマヤ文明は文字を持たなかったと言われているようですが、どういう形であれ、文字があれば文化となって後に残ります。デジタルかアナログかは手段であり人間の知恵なのです。そして、それをフルに活用する術を我々は歴史的に学んできました。今日はいろいろな関連業の皆さんのお力・お知恵をお借りしながら、お客様のご要望にお応えしていくためにはどうしたら良いのか、これからの我々の生き残りをかけ、考えて参りたいと思います。
また、これまで一つ一つ積み重ねてきたことが我々の大きな財産であると思います。本日の懇談会のように、こうした行事を確実に繋いでいくことが、これからの我々の生き残りだけでなく、地域や社会に対する貢献であり、責任だろうと思います。我々のビジネスをいかに確実に残すか、そしていかに発展させるかということが、世の中に対する責任であると改めて強く感じています。
今日は懇談会ということで、それぞれの部門の皆さんの戦いぶりや業界に対するアピールなどをお互いに確認し、そして組合の活動をご理解いただく大事な機会でもあります。ぜひ実り多い会となりますよう、皆さんと共に盛り上げ、その後の反省会はゆっくりと喉を潤す時間を取りたいと思います。
本日は本当に多くの皆様からご参加いただきまして、大変ありがとうございました。
2.懇談
紙パルプ業界 2022年1〜6月度の現況
(株)山忠
平素は新潟県洋紙懇話各社をお引き立ていただき厚く御礼申し上げます。
2022年1月から6月の現況について、ご報告申し上げます。
日本製紙連合会発表の2022年1月から6月の紙・板紙の生産は、前年同期比0.1%減の11,894千トンでした。出荷は前年同期比0.5%増の11,893千トンでした。出荷のうち国内出荷は前年同期比0.2%増の10,848千トンでした。価格修正の前倒し需要とその反動から1〜3月は1.9%増となったものの、4〜6月は1.4%減とマイナスに転じました。
主要品種別の国内出荷は、新聞用紙が前年同期比5.2%減の937千トンで10年連続前年を下回りました。北京冬季五輪などスポット要因もあり、ページ数は前年並みも、発行部数の減少が影響しました。なおコロナ前の2019年比では22.5%減となりました。
印刷・情報用紙は、前年同期比1.2%減の2,807千トンで2年ぶりに前年を下回りました。品種別では、塗工紙は前年を上回りましたが、非塗工紙、情報用紙は前年を下回りました。
非塗工紙はイベントなど商業印刷向けが引き続き低調。出版印刷向けも前年爆発的に売れたコミックスの反動減や雑誌の不振継続に加え、デジタル化の加速も影響しました。
情報用紙は主力のPPC用紙がデジタル化の加速によるペーパレス化の進展に加えテレワークの定着もあり前年を下回りました。
塗工紙は前年を上回ったものの、期待された「まん延防止等重点措置」の解除後の動きは限定的で、全体としては円安、原料高など先行きが懸念される中、盛り上がりに欠けました。
白板紙は前年同期比3.5%増の673千トンで、2年連続前年を上回りました。
価格修正による前倒し需要の影響がありましたが、人流の回復などを背景に比較的堅調に推移しました。
紙パルプ業界を取り巻く環境は厳しい状況が続いていくと思われますが、新潟県印刷工業組合各位のお役にたてますよう、務めて参ります。引き続きご愛顧賜りますよう、お願い申し上げます。
印刷機械業界の上期の現況と今後の動向・課題について
(株)小森コーポレーション
平素は、私ども印刷機械メーカーに格別なお引き立てを賜り、この場をお借り致しまして、厚く御礼申し上げます。印刷機メーカーを代表して、オフセット枚葉印刷機を中心に、印刷機械業界の現況をご報告させて頂きます。
国内の印刷機産業は、デジタル化に伴う印刷業界の構造変化とコロナ禍の影響を受け厳しい状況が続いています。また、ここ数年は小型機(半裁以下)の出荷が激減し、大型機(A全機以上)の出荷が大多数であり印刷業界の構造と設備傾向にも大きな変化がございます。
さらに世界的にみると半裁のオフセット印刷機の出荷数をB2デジタル印刷機の出荷数が上回ることが数年前から起こっており、印刷の小ロット化とバリアブル印刷(DM等)が増加しており、特に海外でのデジタル印刷機の導入が進んでおりますが、国内でも同じくデジタル印刷機の導入は増加傾向にあります。
1.【国内オフセット枚葉印刷機出荷動向】(弊社推計)
(考察)
上記のグラフは全メーカーの印刷機出荷台数の合計でで、2022年6月までのデータです。
上記以前の出荷台数は、以下の通りです。
2003年/752台、2004年/737台、2005年/737台、2006年/628台、2007年/564台、
2008年(リーマンショック)/398台、2009年/292台、2010年/282台、2011年/234台
上記の過去19年の出荷台数は、2008年9月のリーマンショックを境に下降傾向で、印刷の出荷額も同じく減少傾向にあります。さらに近年では情報伝達手段としてスマートフォンを代表とするデジタル機器を利用した手法への変革が進み、それに伴い日本国内でも印刷機出荷台数は激減傾向となっております。
2.【今後の印刷機メーカーの取り組むこと】
印刷業界の課題
- 高齢化問題と技術力の低下
勘と経験の品質管理から、自動品質補正機能、品質検査、スキルレス化の実現への取り組み。
- 人手不足
MISシステムとJDFを利用した生産管理から機械の自動セットアップや自動運転化対応と、人力から機械化への省人化の取り組み。
3.IGAS2022(国際総合印刷テクノロジー&ソリューション」展 開催
開催日程 2022年11月24日(木)〜28日(月)
各メーカーとも機械、ソフトの出展だけでなく、ソリューションプロバイダーとして、皆様のお役に立つご提案を準備しております
是非、ご来場の際は各メーカーブースにお立ち寄りください。
「印刷インキ生産量とPrimarelinkのご紹介」
東洋インキグラフィックス(株)
■印刷インキ生産量について
2021年の印刷インキ生産量合計は28.0万トン(前年比101%)でした。品目別でみると平版インキ6.7万トン(前年比99%)、新聞インキ2.5万トン(前年比94%)、フレキソインキ2.0万トン(前年比104%)、グラビアインキ12.2万トン(前年比103%)でした。
■Primarelinkのご紹介
Primarelinkとは、印刷業に携わる企業同士が新たなビジネスパートナーを見つけることを支援するWEBプラットフォームです。
「仕事の受発注のやりとりができる場を設けたい」その想いから、シェアリングエコノミーサービスとして誕生しました。
仕事を出す、仕事を受ける、どちらにしても大事になってくるのがパートナー探しです。プリマレリンクでは企業・設備・仕事の検索機能、募集機能、チャット機能を通して、パートナーを見つけることができます。
詳しくはプリマレリンクWebサイト:https://primarelink.com/をご覧ください。
Accurio Pressシリーズだからできること
コニカミノルタジャパン(株)
印刷不具合やナンバリングを印刷中にリアルタイム自動検品
- 登録した正解画像によりリアルタイム自動検査、汚れや画像欠けに加え、ホタルやスジの検出、異常ページ自動排出とリカバリ(再印刷)が可能
- バリアブル印刷時のバーコードやナンバリングを監視、結果をCSVファイル形式で出力、元データと比較可能
リアルタイムでバリアブル情報の空白、昇降順を自動検査、リカバリ(再印刷)も可能
印刷機材業界の動向等と自社製品のPR
設楽印刷機材(株)
平素は印刷機材関連各社に対しまして格別のご厚情を承り、誠にありがとうございます。
この場を借りて厚く御礼申し上げます。
まずはじめに、デジタル印刷市場についてお話しさせていただきます。
昨今、印刷業界は市場の減少傾向にあります。これは新型コロナウイルス感染拡大の影響やデジタル化に伴い、印刷需要が減少していることが背景にあります。
矢野経済研究所が2022年に発表したデジタル印刷市場に関する調査によると、2020年は3,097億円とコロナ禍にかかわらず規模を維持していることがわかりました。さらに、2022年は3,290億円と増加すると予測されています。一方で印刷業界全体を見ると、2013年に3.6兆円だった市場規模は2019年には3.4兆円と、縮小傾向が続いています。このように、印刷産業の市場規模は縮小傾向にあります。しかし、デジタル印刷はマーケティング戦略の一環として企業活動の上流工程をサポートでき、付加価値の高い提案やBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)への進出などで需要拡大が期待できると思われます。
そこで弊社ではデジタル印刷機のラインナップの充実を図り、激動する社会情勢に対応できるアイテムを日々ご提案しております。
デジタル印刷機だけでも取り扱い関連メーカーは10社を超えています。
また超高速カッティングプロッターによるデジタルラベルフィニッシャーを2022年から発売開始しております。
2021年11月から群馬県前橋市に、ロボットショールールをオープンしました。
配膳ロボットをはじめ、案内ロボット、除菌ロボット、お掃除ロボットを発売開始しました。
なかでも清掃業界における人手不足などの課題を背景に先進国を中心に需要が増加しています。弊社取扱のお掃除ロボット「PRO T1」は水拭き+掃き掃除+吸塵+ダストプッシュの4機能を搭載しています。
これらのロボットはショールームのほか、デモ機の貸し出しもしておりますのでご興味ある方は弊社までお問い合わせください。
多機能なうえ、安全装置も充実しており様々なシーンでの活躍が期待できます。
日々変化する経済環境に対応すべく弊社はお客様のニーズをくみ取り、課題解決に向けてともに進化していきたいと考えております。