2025年のスタートとなる新春恒例の第59回新年名刺交換会が、新潟県グラフィックサービス工業会との共催により、1月6日(月)午後4時30分からホテルイタリア軒において開催されました。
当日は、官公庁、関係団体、政府系金融機関など多数のご来賓のご臨席をいただき、組合員、印刷関連業界など合計121名の参加を得て新年の幕開けを祝いました。
はじめに遠山理事長から年頭に当たっての挨拶があり、続いて笠鳥公一新潟県副知事、井崎規之新潟市副市長、橋全日本印刷工業組合連合会専務理事からご祝辞をいただきました。その後、新潟古町芸妓連による艶やかな祝舞の披露により華やかに正月気分を盛り上げ、浜田新潟県中小企業団体中央会会長の乾杯のご発声で祝宴に入りました。
祝宴の中では年末印刷謝恩セールの抽選会が行われ、浜田中央会会長の立会いのもと、特賞からラッキー賞までの当選番号が抽選・発表されました。
参加者が賑やかに親睦を深めるなか、午後6時30分過ぎに新潟県グラフィックサービス工業会の平田大輔理事長の閉会の言葉と三本締めにより、和やかな宴も盛会のうちに終了となりました。
第59回新年名刺交換会
開会の挨拶
新潟県印刷工業組合理事長/遠山 亮
あけましておめでとうございます。
平素は当工組の運営に、格別のご支援とご協力を賜りまして、厚くお礼申し上げます。本年も引き続きよろしくお願いいたします。
新潟県印刷工業組合は、昨年、設立70周年を迎えることができました。
そして、今年で71年目を迎えます。71年、言葉にすると単純ですが、とてもとても歴史のある長い期間です。
そして、この長い年月の中で、印刷業界を取り巻く事業環境は、大きく変わりました。
かつて、印刷は広報として非常に重要な役割を果たしていました。
当時の印刷技術は、情報を広く迅速に伝えるための主要な手段の一つだったはずです。
まず、新聞や雑誌が主要な情報源であり、印刷物を通じてニュースや広告が広く配信されていました。
これにより、企業や行政は効率的にメッセージを伝えることができました。
また、ポスターやパンフレットなどの印刷物も広報活動において重要な役割を果たしていました。
これらの印刷物は、イベントの告知や製品の宣伝に使用され、視覚的に訴えることで効果的に情報を伝える手段として利用されていました。
さらに、書籍やリーフレットなどの教育的な印刷物も、知識の普及や啓発活動において重要な役割を果たしていました。
これにより、教育機関や非営利団体は広く情報を提供し、社会全体の知識レベルを向上させることができました。
このように、印刷は広報活動において欠かせない存在であり、情報の伝達や啓発活動に大きく貢献していました。
そして現在、印刷という広報手法は多様な媒体に変わりつつあります。
まず、デジタル化の進展により、紙媒体からデジタル媒体への移行が進んでいます。書籍や雑誌の電子化が進み、デジタルコンテンツの制作が重要な役割を果たすようになりました。
次に、ソーシャルメディアの普及が挙げられます。Facebook、X、Instagramなどのプラットフォームを通じて、企業や個人がリアルタイムで情報を発信し、広範なオーディエンスにリーチすることが可能になりました。
さらに、動画コンテンツの重要性も増しています。YouTubeやTikTokなどの動画共有プラットフォームを活用することで、視覚的に訴える力の強いコンテンツを制作し、広く共有することができます。
また、メールマーケティングやニュースレターも依然として重要な広報手法です。ターゲットとなるオーディエンスに対して、定期的に情報を提供することで、関係性を維持し、ブランドの認知度を高めることができます。
このように、印刷という広報手法は、デジタル化やソーシャルメディアの普及に伴い、多様な媒体に変わりつつあります。
印刷業界が担ってきた役割が、この様に多様化された現在において、時代のニーズ等にあわせて改善・改良していくこと、つまり良い意味で変化していくことが非常に重要です。
組合員の皆様はもちろんのこと、新潟県印刷工業組合としても同様であり、また率先して変化していく必要があると考えます。
昨年、組合員の皆さん向けに説明会を開催しましたが、当組合で長年活用していた印刷会館ですが、建設した当初の役割を果たしたこと、また建物の老朽化もあいまって、土地・建物の売却を行う方向としました。
また、組合会館建設にあたって皆さんから頂いた出資金も、現状の資産価値で清算をさせていただくことにしました。
変化には痛みも伴いますが、私たちはこれまでも組合の強みを生かした業態変革に取り組み、困難な状況に対応して参りました。
先ほど話した通り、印刷という役割が担ってきた領域は、多様化しています。
新潟県印刷工業組合も、多様化した現状に適合し、さらにこれからの未来を見定めて、80年・90年・100年と持続可能な未来を築くために変化し、これまで以上に力強く活動してまいりますので、組合員企業の皆様のご理解と力添えをお願いいたします。
結びに、ご参会の皆様のご健康とご多幸をお祈りし、年頭のご挨拶といたします。
来賓のご祝辞
(代読)新潟県副知事/笠鳥 公一
令和7年の年頭に当たり、謹んで新春の御挨拶を申し上げます。
本日お集まりの新潟県印刷工業組合、新潟県グラフィックサービス工業会の皆様におかれましては、日ごろ、県政の推進に当たり多大な御理解と御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
昨年を振り返りますと、貴組合は、創立70周年という節目の年を迎えられました。長きにわたり、県内印刷業の発展に貢献されました御努力に対し、改めて、心から敬意を表します。
また、長年の悲願であった「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録が実現しました。これまでの間、金山の歴史的価値や高い生産技術について、貴組合の皆様から広報いただくなど、登録の後押しをいただきましたことに深く感謝申し上げます。今後は、この文化遺産の保存・活用にしっかりと取り組みつつ、その魅力の効果的な発信に努めてまいります。
さて、印刷業界においても、デジタル技術の進歩と電子化の促進という社会経済の変化に加え、環境への配慮も必要となるなど、大きな変革の時期を迎えているものと承知しております。
このような中、貴組合の皆様においては、変化に対応するため、弛まぬ努力を重ねていると伺っているところであり、引き続き、会員相互の連携を深めながら、多様化する時代のニーズ等にあわせた取組が、貴業界の発展につながることを期待しております。
県といたしましても、会員の皆様をはじめ県内企業の意欲的な挑戦を支援し、本県経済の発展につなげてまいります。
人口減少という深刻な課題を抱える本県において、若い世代を中心に、働く場、挑戦できる場、訪れる場として、選ばれるためには、官民が連携し、県内企業や地域の魅力を高めていくことが重要です。皆様におかれましては、今後も本県の施策推進に御理解と御協力をお願いいたします。
結びに、本年が御列席の皆様にとりまして、更なる飛躍の年となりますよう祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
新潟県知事 花角 英世
来賓のご祝辞
(代読)新潟市副市長/井崎 規之
皆さま、新年明けましておめでとうございます。
新潟県印刷工業組合ならびに新潟県グラフィックサービス工業会の新年名刺交換会の開催を、心からお祝い申し上げます。
また、印刷業に携わる皆さまには、日頃より、新潟経済の活性化やまちづくりにご尽力いただき、厚くお礼申し上げます。
昨年元日に発生した能登半島地震から一年が経過し、本市では、被災された方々の生活再建に向けた取組を着実に進めています。また、発災時の初期対応に関する検証を行うなど、いつ起こるかわからない災害に向けた備えを講じています。
引き続き、被災された市民の皆様にしっかりと寄り添いながら、一日も早い復旧・復興の実現に向けて、全力で取り組んでいきます。
さて、今年の干支「巳年」は、これまでの努力や準備が実を結び、物事を安定させていく年になると言われております。本市にとっても、これまで着実に進めてきた取り組みを、成果や成長につなげる一年にしたいと思っています。
約60年ぶりのリニューアルを進める新潟駅では、昨年新しいバスターミナルや商業施設が開業するなど、日本海側の拠点都市としての機能が着実に高まってきています。
そして「佐渡島(さど)の金山」が世界遺産に登録されるなど、佐渡への玄関口である本市としても観光誘客のまたとない好機を迎えています。
本市としては、今年も引き続き、こうした良い流れに乗って、食やみなとまち文化などをはじめとする新潟の魅力発信や、おもてなし態勢の充実などに取り組むことで、経済の活性化や交流人口の拡大を図り、新潟市のさらなる発展と活力につなげてまいりたいと思います。
一方で、経済分野に目を転じると、物価高騰や人手不足の深刻化など、多くの課題に直面しています。本市としては、状況を見極めながら適時適切な支援に取り組みたいと考えております。
情報伝達の重要な役割を担う皆さまにおかれましても、これまで培われてきた強みを十分に発揮され、印刷業界を力強くけん引いただくとともに、本市産業発展の原動力として、引き続き、ご支援お力添えを賜りますようお願い申し上げます。
結びに、新潟県印刷工業組合ならびに新潟県グラフィックサービス工業会のますますのご発展と、皆さま方にとって、今年が明るく健やかな一年となりますようお祈り申し上げ、新年のあいさつといたします。
本年もよろしくお願いいたします。
新潟市長 中原 八一
来賓のご祝辞
全国印刷工業組合連合会専務理事/橋 秀明
あけましておめでとうございます。
第59回新年名刺交換会にお招きをいただきありがとうございます。
私は、父親の仕事の関係で、中学3年生から高校卒業まで、現在の新潟県胎内市で過ごしました。両親はそのまま胎内市に住み続けて、父親はもう亡くなりましたが、現在も母親が胎内市に在住していますので、年に3〜4回は新潟県にお邪魔しておりますので、大変に愛着のある故郷(ふるさと)でございますので、参加させていただき大変に嬉しく思っております。
さて、印刷産業は厳しい状況が続いています。
印刷産業の出荷額は、1991年(平成3年)の8兆9千億円をピークに2022年には5兆円まで減少しております。
この30年間で、約4兆円近く減少をしております。これは、印刷需要の減少という大きな要因もありますが、激しい価格競争による受注価格の下落も要因としてあるのではないかと推察しております。
この業界全体が疲弊する激しい価格競争をなんとか止めなければいけないということで、昨年全印工連会長に就任しました瀬田会長は、価格競争から価値を争い合う価値協創を目指していこうということで、私共全印工連は事業を推進しています。
全印工連は以前から「Happy Industry 人々の暮らしを彩り幸せを創る印刷産業」を目指しておりますが、Happy Industryを実現するためには、今までの不毛な価格競争からお互いを高め合う価値づくりの競争をしていこうということで、お互いが切磋琢磨しながら、得意技を磨いて差異化をして、価値を作り出し、価値を争う新たなエコシステムの構築が必須であるということで、価値協創を基本とした組合となるべく事業を推進しています。
価値協創は言葉でいうほど、簡単ではありません。具体的にどのような経営をすればよいのか、従業員教育は何をすればよいのかということで、今年、令和7年度はその具体的な活動についての支援をさせていただくということで、7年度事業について事業計画を策定しているところでございますので、7年度事業についてはご期待をいただければと思っております。
その一端をご紹介いたしますと、紙利用のポジティブキャンペーンを展開します。
環境問題への取り組みが広く社会一般に広がる中で、「紙の利用は環境の悪化を招く」という誤った考え方が広がりつつあります。紙はリサイクルの優等生とも言われており、決して環境の悪化を招くものではありません。
全印工連だけでなく、紙の業界や、関連業界の皆さまにご協力をいただきながら「紙の利用は環境の悪化を招く」という誤った認識を払拭する、紙利用のポジティブキャンペーンを実施してまいります。
もう1点だけ、令和7年度に全印工連は70周年を迎えます。70周年の記念行事を10月10日(金)に東京の東京駅と有楽町駅にほど近い東京會舘で開催をいたしますので、多くの皆様にご参加をいただきたく、ご予定のほどよろしくお願いいたします。
結びに、新潟県印刷工業組合、新潟県グラフィックサービス工業会の益々のご発展と、組合員・会員各位の事業のご発展、皆様のご健康そして2025年が皆様にとって明るく希望に満ちた素晴らしい一年となりますよう心から祈念いたしまして、お祝いの挨拶といたします。
ありがとうございました。