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新潟印刷月報
関東甲信越静地区印刷協議会 第72回年次大会開催

 関東甲信越静地区印刷協議会 第72回年次大会が7月4日(金)に神奈川工組の主管によりローズホテル横浜にて開催されました。

 全体会議では、関東甲信越静地区印刷協議会会長の依田訓彦様、全日本印刷工業組合連合会会長の瀬田章弘様よりご挨拶があり、全印工連の概況説明、瀬田会長によるテーマ説明があり、その後各分科会にて報告事項や協議事項について話し合われました。

 式典では、神奈川県知事をはじめ来賓からのご祝辞を頂戴し、その後分科会報告が行われました。


分科会報告
プログラム

●全体会議
・ご挨拶
関東甲信越静地区印刷協議会 会長 依田 訓彦 様
全日本印刷工業組合連合会 会長 瀬田 章弘 様

・印刷産業人綱領唱和
神奈川県印刷工業組合 常務理事 池下 栄一郎 様

・全日本印刷工業組合連合会 概要説明
全日本印刷工業組合連合会 専務理事 高橋 秀明 様

・令和7年度全日本印刷工業組合連合会 テーマ説明
全日本印刷工業組合連合会 会長 瀬田 章弘 様

・次期開催県決定・挨拶
埼玉県印刷工業組合 理事長 惠 勇斗 様

●式典
・開式挨拶
神奈川県印刷工業組合 理事長 古木 直人 様

・来賓ご祝辞
神奈川県知事 黒岩 祐治 様
横浜市長 山中 竹春 様
神奈川県中小企業団体中央会 副会長兼専務理事 長谷川 幹男 様
衆議院議員 田中 和徳 様
神奈川県議会議員 加藤 元弥 様

・閉式挨拶
神奈川県印刷工業組合 副理事長 中矢 忠雄 様

●総務広報・組織活性化委員会

高山 宏明

〔報告事項〕

  • 組合員加入挙績工組表彰(埼玉工組)
  • 令和7年度共済キャンペーン重点工組(茨城県、埼玉県、山梨県)
  • 事業承継、事業継続支援事業
  • 印刷業経営動向実態調査の実施及び分析

〔依頼事項〕

  • 各種数値目標の達成推進
  • 全印工連創立70周年記念式典、祝賀会の開催協力
  • J−CONNECTの周知協力
  • 全印工連事業承継支援センターの周知活用

〔協議事項〕

  • 組合員加入の促進について
     組合員の廃業、倒産などにより各工組とも苦戦している様子。
     組合加入のメリットを解りやすく紹介されている群馬県工組さんの書式を紹介した。
  • 共済制度加入促進について
     詳しい説明が必要な場合は地区担当の第一生命様が対応してくださることを伝えた。

〔その他〕

 特定技能外国人受け入れについて、製本組合が存在しない地域が多かったが、組合を組織した地域があるとの意見があった。

●官公需対策委員会

高橋 佑

〔報告事項〕

  • 経産省発出の「追加資料」の予定価格設定等を役所関係に周知してもらうよう呼び掛ける。
  • 大風委員長が官公需対策セミナーで全国各地に赴く。
  • 少額随意契約について4月1日から引き揚げられたので各組合員に周知してほしい。

〔依頼事項に関する件〕

  • 特になし。

〔協議事項〕

  • 群馬県前橋市は石川理事長が会議所の副会頭をされているので、その利を生かし商工会議所を通して市長要望に入った。
  • 官公庁の入札案件はブローカーなどのネットを使うような業者が応札していて、未だダンピングに歯止めが効かない。
  • 茨城県では入札仕様書に「データ納品、版権は役場に帰属する」との一文が入っているため、翌年の落札業者が安く落札し、そのデータを使って納品することがある。

〔意見・要望〕

  • 全日本印刷産業政治連盟の皆さんに官公庁の現状をもっと知ってもらえるようにして欲しい。
  • 全印工連名で資材・光熱費の値上がりによる印刷価格の値上げに関する宣伝を他業界のように周知して欲しい。
  • 随意契約の上限金額を引き上げられても、前年業者に依頼が行くことが多いため、逆に入札案件が減ってしまうので、注意して交渉した方がいい。

●教育研修委員会

清水 伸

〔報告事項〕

1.技能検定プリプレス職種(DTP作業)実技試験(東京)見学会

 委員会で令和6年1月25日に実施された令和6年度技能検定プリプレス職種(DTP作業)の東京での実技試験の見学(参加者4名)。見学した委員から「検定に取り組むことで会社・社員の技術の平準化がおこなえる」「社員のスキルを見直す良い機会になる」と意見があった。また、関野委員長・富澤SVより「社員の教育計画に検定を取り入れ、資格取得を人事評価に加えることで、モチベーションアップ・離職防止に活用できる」と技能検定の良さについて説明があった。


〔依頼事項〕

1.令和7年度印刷営業講座・印刷営業技能審査認定試験について

 関野委員長より、印刷営業講座は「提案営業・プレゼンテーション」「マーケティング」などの新しい情報を得る良い機会であることを、ぜひ各県で伝えてほしいと説明があった。また、7月後半に全印工連が「営業講座ではAIや提案営業について学べる」とオンラインセミナーを行うと報告があった。

 別の地区協議会で、受験者を増やすために資格の名称を「営業士」ではなく「マーケター」など変更することも検討してみる価値があるのでは?という話題があった。

2.技能検定プリプレス職種(DTP作業)について

 富澤SVより、令和6年度の検定合格者が、検定を実際に受けて良かったことについてオンラインで報告会を実施すると説明があった。各県で報告会について告知し、検定のメリットを知る機会となるようにしたい。

 工組単独で試験開催が難しい場合は、東京での参加も可能なので積極的に参加を検討してほしい。

3.教育動画サイト「印カレ〜全印工連の学んで得するTV〜」

 「生成AI」や「メディアユニバーサルデザイン(MUD)」に関する新規コンテンツが公開されている。また、技能検定対策や営業講座に関するコンテンツも増やしていく予定。積極的に利用し新しい情報を得る機会にしてほしい。


〔協議事項〕

1.印刷営業講座の開催予定

 東京9/5、10、11、16、17で開催予定。
 東北地区は山形県で実施予定。

2.技能検定プリプレス職種(DTP作業)試験の予定

 新潟県では、10名の受験が予定。

●経営革新マーケティング委員会

加藤 雄也

〔協議事項〕

 ローカルゼブラ・業態変革・AI・BRAINに関する事例などを、各県より発表していただいた。発表の中で、そもそも「ローカルゼブラ」の意味が理解できていなくて、全く進展していない県工組も複数あった。

 それを受け、田畠SVが「ローカルゼブラ企業」とは「ユニコーン企業」に対峙して名付けられた日本の国策であり、地域の問題解決と収益性(お金に換える)の両立を目指す企業のことであり、既に普通にやっていることに気付いていない企業も多くある旨を説明した。

 木村委員長からは、ゼブラは群れで行動をすることが特徴である、私たちも仲間を創り協力して成功させていくことが大事。今は聞きなれない言葉だが、繰り返し「ローカルゼブラ」の言葉を聞くことで、そのうち当たり前になってくる旨の説明があった。

〔各県の発表の抜粋〕

  • 新規事業に参入して多角化、複数事業展開で安定化とシナジー効果をはかっている。
  • 地域課題である空き店舗にカフェをオープン、ワーキングスペースとして活用し、そこからいくつかコミュニティが生まれている。
  • 行政から助成金で地元のキャラクターを作成しTシャツやノベルティなどに展開。
  • イベントの実行委員会に企画運営側として参加して、そこから発生する仕事を受注。
  • 街づくりに参画して、行政に大きく関わっている企業。
  • 障がい者と連携している組合や事業所もあり、アート展の開催やホームページでの販売を手掛けている。
  • 古紙や印刷物の端紙・残紙を保育園・幼稚園等に寄付、今では販売に発展している。
  • 地元のワイナリー構想における問題点を、東京のワイナリーと結びつけ問題解決の懸け橋になることで新しい事業展開を目論んでいる事業所。
  • 環境問題に取り組んでいる企業として、省エネ補助金で自社の屋根に太陽光パネルを設置し、さらに、県の水力発電を購入する事ですべての電力を100%再生エネルギーでまかない、電動フォーク導入などでオール電化をはかり、カーボンゼロを達成し国際認証を取得、印刷物に独自のロゴを載せることでアピールし差別化をはかっている事業所がある。
  • 千葉県では、中央会の補助事業を使い講師を派遣依頼して組合員対象に「AIについてのセミナー」を企画している。

 など多くの事例があった。

●サスティナブルCSR委員会

坂井 雅之

〔議事報告1〕 サステナビリティ・CSR経営の推進

(1)CSR、MUD普及のためのセミナー開催
 申込開始中
 @開催日時・場所
  CSR:2025年7月22日(火)
      18:00〜20:00
      日本印刷会館2F会議室
      (Zoom併用)
  MUD:2025年8月8日(金)
      16:00〜18:00
      日本印刷会館2F会議室
      (Zoom併用)
 Aセミナー内容
  CSR:CSRの再周知、CSRに取り組む企業の事例紹介
  MUD:MUDの再周知、なぜ取り組む必要があるのか(時代背景・法律・動機付
      け)、MUDに配慮した手法・技法の紹介、MUDの取り組みの実例

(2)全印工連CSR認定制度(ワンスター・ツースター・スリースター認定)の普及拡大
 ●第50期ワンスター認定
  募集期間 2025年5〜7月
  認定登録 2025年9月

 ●第51期ワンスター認定
  募集期間 2025年8〜10月
  認定登録 2025年12月

 ●第52期ワンスター認定
  募集期間 2025年11月〜2026年1月
  認定登録 2026年3月

(3)第19回MUDコンペティションへの作品募集
 募集期間 2025年9月1日〜12月5日
  審査会 2025年12月15日(予定)
 結果発表 2025年12月22日(予定)
  表彰式 2026年2月中旬(予定)

(4)冊子「INFORMATION DESIGN」(改訂版)の販売
  今夏発行、価格3,300円(税込、送料別)。
  全印工連が2019年に発行した「INFORMATION DESIGN」を改訂し、最新のMUDに関す
 る知見を盛り込みさらに掲載コンテンツの充実を図っている。

〔議事報告2〕人的資本経営関連情報の提供

(1)職場における労働衛生基準の変更
 @便所について
   新たに「独立個室型の便所」が法令で位置づけられた。
  ア.男性用と女性用に区別せず、単独でプライバシーを確保
  イ.便所の全方向が壁等で囲まれ、扉を内側から施錠できる構造
  ウ.1個の便房により構成
 A発汗作業に関する措置について
   多量の発汗を伴う作業場においては、労働者に与えるための塩及び飲料水を備える必要
  があるが、この場合の「塩」は、塩飴や塩タブレット等のほか、スポーツドリンクなどの
  飲料水に含まれる塩分も該当することを明示された。

〔議事報告3〕脱炭素・環境対応事業の推進

(1)CO2排出量算定調査結果
  全国の組合員やCSR認定企業に対してご協力をいただき実施されたCO2排出量算定レ
 ポートの調査結果の公表を確認いただきたい。
  本調査結果は、今後全印工連が進めていくカーボンニュートラル事業の精査・検討に活か
 していく。

(2)2025特別管理産業廃棄物管理責任者に関する講習会
  特別管理産業廃棄物管理責任者に関する講習会を受講し、管理責任者を選任していただき
 たい。特に、有処理版CTP利用組合員は管理責任者の選任が必要。

〔依頼事項〕数値目標について

  令和7年度の関東甲信越地区の数値目標に対して、各県工組での目標達成に向けた啓発・
 啓蒙をお願いした。

  • 新規CSRワンスター認定取得社数
    2社以上
  • 新規GP認定取得社数
    1社以上
  • 新規環境推進工場登録認定取得社数
    1社以上

〔協議事項〕

1.各工組における推進事業への対応状況

(1)CSR、GP、環境推進工場登録についての推進状況
 各県ともに認定に向けた推進状況に進展はないとの事。
 社会環境の変化に気づきその変化に順応して社会に貢献していくための1つの手段としてSR、GP、環境推進工場登録を活用していただくよう、組合員へ改めてご周知をいただき、7/22CSRセミナー、8/8MUDセミナーへの参加をご案内いただきたい。

(2) MUD(ユニバーサルデザイン)の自治体・民間での意識度合い
 書体としてMUDフォントを適用したい旨の要望が増えてきている。未だ、グラフ・図・イラスト等の色調の適用要望は少ない。

(3)地場の中小企業の顧客のCSRの認知度について
 年々、脱炭素、SDGsを中心としてCSRについての関心が高まっていると感じる。

(4)MUDに関連して〜色覚障害をもつ自社員に対して
 日本人男性30人に1人が色覚障害を有する社会で、各県委員の会社で実際に採用面接や採用後に色覚障害をもつ社員に気づくことを確認できた。
 MUDを推進する立場として、色覚障害をもつ社員に対する職場環境や活躍の場を整備することもまた重要であることを確認できた。

2.委員会事業に対する提案、要望

 CSR認定の更新審査について、認定時および前回更新審査の際に提出した重複書類をなるべく緩和し、2年間のCSR取組み実績、今後のCSR取組みなどのアピールを加点項目として追加して欲しい。


委員会報告
サスティナビリティ・CSR委員会

 サステナビリティ・CSR委員会では7月24日(木)に委員会を開催いたしました。
 坂井委員長のご挨拶から始まり、同月4日に横浜で開催された関東甲信越地区印刷協議会の報告や情報共有の在り方、他県工組との連携について議論を深めました。

CSR認定の現状と課題

  • CSR(企業の社会的責任)認定について、制度自体の理解不足や認定取得のインセンティブが不明確であることが指摘された。
  • 認定の更新には経営数字の提出が必要となり、ハードルが高いとの意見があった。
  • CSR認定企業は上場企業が多く、印刷業界に限らず建設業界など幅広い業種で取得が進んでいることが確認された。
  • SDGsとの関連性も話題となり、CSR認定の持続性や企業評価基準としての役割が議論された。

情報共有と組合内の連絡体制

  • セミナーや委員会の情報は組合員全員にメールで共有されているが、新世会には流れていないことが明らかになった。
  • 組合からの情報は1社につき2アドレスに限定されており、複数アドレスへの配信は管理上難しいとの説明があった。
  • 若手メンバーや新世会にも情報を共有する必要性が指摘され、今後は「新世会枠」など別枠での情報配信も検討された。
  • 情報伝達の改善策として、役員会での議題化や担当者による情報配信の提案があった。

他県工組との連携
 各社で新入社員が入るタイミングは異なるものの、各種研修については定期的な開催の必要性が指摘された。また参加人数の確保や費用負担軽減の手立てとして、研修をオンライン開催することにより、他県の工組と共同開催も検討が可能となり、その場合参加人数を確保しやすくなり、研修事業が毎年実施される必然性が高まると共に、費用の圧縮も図れる可能性について議論された。


新世会納涼会

 去る7月22日、クロスパルにいがたにて、株式会社アドヴォネクスト代表取締役・井上雅博氏を講師にお迎えし、講演会を開催いたしました。井上氏からはご自身の経験から得た学びや教訓、豊富な事例なども交えたお話をいただき、大変示唆に富む講義となりました。参加者一同、未来の展望について改めて考えを深める貴重な機会となり、今後の活動や業務に活かせる多くの学びを得ることができました。

 講演会終了後は、新潟グランドホテルに会場を移し、納涼会を開催いたしました。当日は暑さ厳しい中ではありましたが、参加者同士が和やかな雰囲気のもとで交流を重ね、日頃の業務ではなかなか得られない親睦をより一層深めることができました。笑顔と活気に満ちたひとときは、会員間の結束を強め、これからの活動への意欲を高める大きな力となりました。



◆ 組合運営の動き(令和7年7月1日以降)