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印刷の知ってるつもり?
はじめに
印刷の歴史は古く、740年頃には中国で本格的な木版印刷が始まり、それから約700年後の1445年にドイツのグーテンベルグが鉛合金活字、活版印刷機を発明し「42行聖書」を印刷しました。その後活版印刷技術はヨーロッパ全土に広がり、印刷は火薬、羅針盤と共にルネッサンスの3大発明と言われています。そして産業革命により印刷技術は飛躍的な発展を遂げ、活版印刷以外の印刷方法が次々と発明され今日に至っています。
 
日本の印刷の歴史
年号 年(西暦) 印刷の歴史 世の中の動き
明治 明治3(1870)年
■ 活字の各部の名称
本木昌造、長崎・新町の「新街私塾」内に活版製造所を設立。初の日刊紙「横浜毎日新聞」に活字を提供。
・ 東京・横浜間に電信開通。平民に苗字使用を許可。
明治23(1890)年 堀健吉、亜鉛板で網目写真凸版を実用化し、貴衆両院議員肖像を東京毎日新聞に掲載。
・ 教育勅語発布。東京・横浜間電話開通。
明治29(1896)年 小川一真、初の三色版印刷物を「写真新報」82号に発表。
明治36(1903)年 教科書用紙、和紙から洋紙へ切り替わる。
・ 小学校の教科書国定化。
明治37(1904)年 大阪朝日新聞社、初の国産新聞輪転機を設置。この頃から石版大型ポスター印刷盛んになる。
・ 日露戦争が勃発。
大正 大正2(1913)年 中島幾三郎、ハリス社製オフセット輪転印刷機に倣い、国産機を製作。
大正3(1914)年 浜田初次郎、ポッター社製オフセット輪転印刷機をモデルに四六半裁判の国産機を完成。東京高等工業学校、本邦初の輪転式グラビア製版に成功。
・ 第一次世界大戦参戦。
大正4(1915)年 杉本京太、邦文タイプライターを発明。
大正5(1916)年 市田オフセット印刷、凸版三色刷を金属平版に転写。写真応用多色オフセット印刷の先駆をなす。
大正9(1920)年 辻本秀五郎、四六半裁巻取紙グラビア輪転機(単色)を完成し、大量印刷を実現。
・ 国際連盟加入。第1回メーデー。第1回国勢調査実施。
大正13(1920)年 石井茂吉と森沢信夫、写真植字機( ※1 )の試作機を発表(昭和4年、実用機を完成)。
昭和 昭和12(1937)年 箱木一郎、曲面印刷機を発明し、パリ万博でグランプリ受賞。モノタイプ、ライノタイプ( ※2 )が導入される。
・ 盧溝橋事件・日中戦争勃発。
昭和18(1943)年 印刷業の企業整備はじまる。大日本スクリーン、写真製版用網目スクリーン( ※3 )を製造。
昭和20(1945)年 空襲により、印刷業者の罹災相次ぐ。
・ 広島・長崎に原子爆弾が投下。ポツダム宣言受諾(終戦)。
昭和21(1946)年 民間工場が大蔵省管理工場に指定され、紙幣印刷。戦後の復興とともに東京グラビア以下、設立された各社がグラビア印刷に着手。
・ 日本国憲法公布。
昭和22(1947)年 配給用紙不足からザラ紙に代わり仙花紙使用盛ん。出版ブームに伴い書籍用輪転機が製造され、各印刷会社に設置される。
昭和27(1952)年 オフセット輪転機が導入され、8色オフセット輪転機による教科書の印刷開始。
・ 血のメーデー事件。羽田空港業務開始。
昭和28(1953)年 ヘクト謄写版・孔版タイプ発売。
・ NHK、テレビ本放送を開始。
昭和33(1958)年 コンタクトスクリーン( ※3 )が国産化される。製版技術を応用したカラーテレビのシャドウマスク完成。
・ 皇太子婚約、ミッチーブーム。
昭和34(1959)年 全自動モノタイプが製造販売される。毎日・読売両紙が漢字テレ・モノタイプ方式により新聞印刷開始。国産初の電子彫刻機が発表される。
・ 初の国産カラーテレビ製造。
昭和39(1964)年 全自動モノタイプ、普及が進む。電子製版機の導入盛んになる。富士写真フィルム、PS版の製造開始。
・ 第18回オリンピック東京大会が開催。東海道新幹線開通。
昭和40(1965)年 普及型のカラースキャナ各種輸入。印刷校正記号JIS化。
■ 印刷校正記号の例
昭和41(1966)年 文字組版のコールド化( ※4 )、新聞からはじまる。
昭和43(1968)年 主要新聞、日曜版に色刷りオフセット印刷を開始。
昭和44(1969)年 富士通、電算機内蔵のファコム写植システムを完成。
・ アポロ11号月面着陸。
昭和45(1970)年 鉛公害の懸念から、コールドタイプ化(※4 )進む。「科学朝日」11月号で初めてコンピュータ組版印刷。
・ 大阪で日本万国博覧会が開催。よど号ハイジャック事件。
昭和46(1971)年 初の電算写植協同組合、営業開始。長野の印刷会社6社、共同で電算写植( ※5 )システムを導入。
昭和49(1974)年 CRT利用の電子色校正装置開発。
昭和50(1975)年 朝日新聞社、ネルソンシステム本格実用化へ。
昭和51(1976)年 マイコン搭載の万能型写真植字機出揃う。
・ ロッキード事件発覚。
昭和53(1978)年 日本経済新聞社、活字を廃して大型電算機による組版システム「アネックス」全面始動。
・ 東芝、日本語ワープロ1号機発表。
昭和55(1980)年 組版に代わり、「文字情報処理」の新語普及。
昭和56(1981)年 国産レイアウトスキャナシステム発売。国産ドットジェネレータ式カラースキャナ発売。
昭和59(1984)年 国産モノクロ平面スキャナ発売。
・ グリコ・森永事件。衛星放送開始。
平成 平成元(1989)年 DTP(デスク・トップ・パブリッシング)( ※6 )開始。
・ 消費税(3%)実施。
平成6(1994)年 オンデマンド印刷機発表。
平成7(1995)年 印刷用語・基本用語、JIS指定される。
・ 阪神大震災発生。地下鉄サリン事件・オウム真理教摘発。「ウィンドウズ95」発売。
資料参考(抜粋):オリジナルムック20世紀印刷モノがたり/(一社)日本印刷産業連合会発行
 
用語解説
※1)
写真植字(写植)機
写真技術を用いて文字組版を行う機械。
※2)
モノタイプ・ライノタイプ
活字による組版を行う機械。
※3)
網目スクリーン・コンタクトスクリーン
印刷するために、写真などを網点の集合に変える製版用のスクリーン。
※4)
コールド化・コールドタイプ
活版や凸版に代わり、写真植字や電算植字による製版の方法。
※5)
電算写植
コンピュータにより電子的に組版を行うこと。
※6)
DTP
机上のパソコンで原稿の入力、組版編集などを行うこと。