労災保険は事業場単位で成立しています。仮にその事業場が労災保険関係成立の届出をせず、事業主が保険料の負担をしていない場合でも、労災保険は法律上当然に成立しているものと取り扱われます。これは、労災保険が事業主やパートタイマーの意思にかかわらず強制加入であるためです。労災保険は、労働基準法上の労働者であれば適用されます。労働者か否かの判断は、雇用期間の長短や従業員としての身分は関係ありません。したがって、パートタイマーが業務上の負傷、疾病、障害、死亡という事態になれば、雇入れ初日から労災保険が適用されます。また、パートタイマーが通勤途上で事故にあった場合は通勤災害として労災保険から給付を受けることができます。
労災保険料は、事業主の全額負担です。事業主は、パートタイマーが雇用保険に加入していなくても、労災保険料は負担することになります。労災保険は、雇用保険と合わせて労働保険として適用され、保険料の納入手続きも労働保険料として一括されています。労災保険料率は、事業の種類ごとに定められ、労災保険料率は現在、賃金総額の1000分の4.5から1000分の118まであります。
雇用保険は労働者を一人でも雇用する事業場を強制適用事業場としています。雇用保険では1年間以上雇用が見込まれ1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者を短時間労働被保険者とし、また1年以上の雇用が見込まれ1週間の所定労働時間が30時間以上の労働者を一般被保険者としています。パートタイマーであっても上記の要件に合致していれば被保険者になります。 雇用保険の被保険者となる基準は次のとおりです。雇用保険の被保険者の適用基準は、次の要件を満たす者です。
ただし、次の者については雇用保険法を適用せず、雇用保険の被保険者にならないとされています。 1.65歳以上に達した日以降に雇用される者/2.短時間労働者であって、季節的に雇用される者又は短期の雇用につくことを常態とする者/3.日雇労働被保険者/4.4カ月以内の期間を予定して行われる季節的事業に雇用される者/5.船員保険の被保険者/6.国、都道府県、市町村等に雇用される者で政令で定める者。 各保険が適用になるかどうか、被保険者となる手続き等について詳しくは、雇用保険の最寄りの公共職業安定所に問い合わせてください。
一般に社会保険という言葉は、二通りの使い方をしています。一つは、健康保険と厚生年金保険を合わせて社会保険と呼ぶ場合、もう一つはこれに労災保険、雇用保険を含めて呼ぶ場合です。今回の質問は前者の意味ですので、健康保険及び厚生年金保険に入る場合について説明いたします。 健康保険と厚生年金保険は、セットで加入することになっています。パートタイマーが社会保険に加入するには、適用事業所に所属し、かつ常用的雇用関係にあるかどうかがポイントになります。
【資格要件所定労働時間】 1日又は1週間の所定労働時間及び1月の所定労働日数が通常の就労者のおおむね4分の3以上である者。1日又は1週間の所定労働時間若しくは1月の所定労働日数が通常の就労者のおおむね4分の3未満である者。 ●年収 ・原則として年収130万円(180万円★)未満 ・原則として年収130万円(180万円)以上
【適用医療】 ●保険 ・健康保険等の被保険者 ・健康保険等の被扶養者 ・国民健康保険の被保険者 ●年金 ・厚生年金保険等の被保険者(国民年金の第2号被保険者) ・厚生年金保険等の被保険者の被扶養配偶者(国民年金の第2号被保険者) ・厚生年金保険等の被保険者及びその被扶養配偶者でない者(国民年金の第1号被保険者)※被扶養者認定基準 同一世帯の場合、年収130万円未満かつ被保険者の年収の2分の1未満。
【別居の場合】 年収130万円未満かつ被保険者からの仕送りより少ないこと。なお、被保険者の年収と仕送り額によっては否認されることもありますので、形式的な金額だけで判定することはできません。
(★認定対象者が60歳以上の者である場合(医療保険のみ)、又はおおむね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合。)
社会保険(健康保険・厚生年金保険) 労働保険(労災保険・雇用保険) の主な給付は次のとおりです。 【保険内容】主な給付内容
【健康保険】 業務外の傷病・死亡・出産療養の給付、出産育児一時金、埋葬料、傷病手当金、出産手当金
【介護保険】 40歳以上で加齢を原因とする病気等で介護が必要な人に対し介護状態の軽減・悪化の防止等 介護給付予防給付市町村特別給付
【厚生年金】 保険/老齢・障害・死亡、老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金 雇用保険/失業・育児・介護休業 60歳以降の賃金の低下/基本手当、育児休業給付、介護休業給付、高年齢雇用継続給付等 労災保険/業務上及び通勤上の傷病・障害・死亡、療養、介護、休業、傷病、障害、遺族補償給付等
社会保険(健康保険・厚生年金保険) 労働保険(労災保険・雇用保険) の被保険者となる要件及び保険料率は次のとおりです。 被保険者となる要件 保険料率(労使折半) 被保険者となる要件 保険料率(労使折半)
ご主人の会社が社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入しているかどうかで次のようになります。 ■ご主人の会社が社会保険に加入している場合 ■ご主人の会社が社会保険に加入していない場合 ・健康保険の被扶養者になる ・国民健康保険に加入する ・厚生年金の被扶養者になる収入制限がある(年収130万円未満でかつご主人の収入の半分以下) ・国民年金に加入する ・国民年金の3号被保険者になる ・国民年金の1号被保険者になる
労働保険における賃金総額とは、使用者がその事業に使用する労働者に対して賃金、手当、賞与その他名称のいかんに問わず労働の対象として支払うすべてのものを言います。また、保険料算定期間中に支払い義務が具体的に確定した場合は、期間中に支払わなくても算入します。
報酬月額欄は、被保険者資格取得届に見込額を記入します。具体的には、基本給、通勤手当など定期的な報酬と残業手当(見込額)を加えた額が標準報酬となります。現物支給がある場合は、標準価額によりその額を記入します。 なお、週給の場合は7で割り30倍し、月当たりに直して記入します。実績によって報酬が変わる場合は、あらかじめ報酬月額を決められませんので、資格取得の日の前1ヶ月間にその会社で同じように仕事について同じような報酬を受けている人の平均月額を記入します。日給、時間給、出来高給、請負給なども同様に取り扱います。
昨年から行っております短時間労働者雇用改善事業の一つとして、雇用管理実態調査を、今年も実施いたしました。 この調査は、昨年実施した、短時間労働者雇用実態調査を踏まえ、今年度の改善に向けた取り組み状況と、雇用事業主の意識調査を全組合員を対象に国の助成を受け実施したものです。 その調査結果につきましては、まとまり次第月報に掲載しますが、調査結果概要については下記のとおりとなっています。